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内科・脳神経内科・小児科・皮膚科
若山クリニック
東京都町田市金井2-3-18

TEL:042-736-7720

クリニック案内

医院名
若山クリニック
院長
若山幸示
住所
〒195-0072
東京都町田市金井2-3-18
診療科目
内科、脳神経内科
小児科、皮膚科

電話番号
042-736-7720

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医療情報の活用について

当院はマイナンバーを用いたオンライン資格確認による電子資格確認を行う体制を有しており、医療DX推進の体制に関する事項および質の高い診療を実施するための十分な情報を取得、活用して診療を行います。

肺炎球菌ワクチンの種類と選び方

肺炎球菌とは

肺炎球菌は、私たちの鼻やのどにひそんでいることのある、ごくありふれた細菌です。
持っていること自体は珍しくなく、健康なときは何の症状も起こさないまま過ごす方がほとんどです。

ところが、加齢や持病によって体の抵抗力が落ちると、この菌が肺に入り込んで肺炎を起こしたり、血液や髄液にまで入り込んで重い全身の感染症を起こしたりすることがあります。
日本では肺炎で亡くなる方が年間およそ8万人おられ、その多くが高齢の方です。
肺炎球菌は、その原因としてもっとも多いものの一つに数えられています。

やっかいなのは進行の速さです。
数日前までふつうに過ごしていた方が、急に呼吸の状態が悪くなって入院に至る、ということが決して珍しくありません。
だからこそ、かかってから治すことに加えて、あらかじめ備えておくという考え方が大切になります。

その備えの一つがワクチンです。
肺炎球菌には90種類以上の「型(血清型)」があり、ワクチンはそのうちのいくつかに対して免疫をつくります。
現在、日本で成人の方に使えるワクチンは複数あり、それぞれ成り立ちも仕組みも異なります。
このページでは、その違いを順に見ていきます。

3つのワクチンと、その成り立ち

現在、日本で成人の方に使われている肺炎球菌ワクチンは3種類あります。
どれか一つが他に取って代わったというより、それぞれ違う時代の課題に応えるかたちで生まれてきた、という経緯があります。

このうち当院で接種いただけるのは、プレベナー20とキャップバックスの2種類です。
はじめにご紹介するニューモバックスは、これまでに接種された方が多いワクチンですので、いまの2種類がどのような流れで生まれてきたのかを知っていただくために触れています。

ニューモバックス(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)

日本で1988年から使われてきた、もっとも歴史の長いワクチンです。23種類の型をカバーします。
2014年に65歳以上の方の定期接種に導入され、長年にわたって日本の高齢者の肺炎球菌対策の中心を担ってきました。すでに接種された方も多くおられるはずです。

プレベナー20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)

もともと結合型ワクチンは、免疫の力が弱い乳幼児のために開発された技術です。
日本では2010年代から小児の定期接種に使われ、対応する型を7種類、13種類と増やしながら改良されてきました。
その成人向けとして20種類の型に対応する製品が2024年に承認され、2026年4月から65歳の方の定期接種に使われています。

キャップバックス(21価肺炎球菌結合型ワクチン)

2025年に登場した、もっとも新しいワクチンです。
これまでのワクチンと考え方が少し違い、「小児で問題になる型」ではなく「高齢者で実際に問題になっている型」を選んで組み合わせる、という設計になっています。
21種類の型に対応します。

この3つ目が登場した背景には、日本を含む各国で起きたある変化があります。
小児への予防接種が広まった結果、子どもが持ち歩く型が減り、その恩恵で高齢者がかかる肺炎球菌の型の顔ぶれも変わってきたのです。
かつて多かった型が減った一方、別の型が相対的に目立つようになりました。
高齢者向けのワクチンも、その変化に合わせて設計し直されてきた、というわけです。

「多糖体ワクチン」と「結合型ワクチン」

3つのワクチンは、大きく2つの種類に分かれます。
ニューモバックスは多糖体ワクチン、プレベナー20とキャップバックスは結合型ワクチンです。
この違いは、体の中での働き方にかかわります。

肺炎球菌は、糖でできた殻(莢膜)をまとっています。
この殻の種類の違いが「型」の正体です。
ワクチンは、この殻を目印として体に覚えさせ、次に本物が入ってきたときに素早く対処できるようにします。

多糖体ワクチンは、この糖の殻をそのまま材料にしたものです。
抗体はしっかりつくられますが、糖だけを見せられた場合、体の免疫はそれを「記憶」として長く残しにくい、という性質があります。

結合型ワクチンは、その糖にタンパク質をくっつけてあります。タンパク質が加わることで、免疫のしくみがより深く関与するようになり、体が「この相手は覚えておくべきものだ」と認識しやすくなります。もともと、免疫の反応が未熟な赤ちゃんでも効果が得られるようにと工夫された技術で、その利点が高齢の方にも応用されてきました。

《下記画像クリックでPDFが開きます》

多糖体ワクチンと結合型ワクチンのしくみの違いを示した図

ただし、「記憶が残る」ことと「効果が一生続く」ことは同じではありません。
この点については後ほど改めて触れます。

なお、どちらの種類であっても、肺炎球菌を防ぐという目的は同じです。
多糖体ワクチンが古くて劣る、ということではありません。
カバーする型の組み合わせが異なるため、それぞれに役割があります。

「型」のカバーをどう考えるか

ワクチンを比べるとき、よく「何種類の型に対応しているか」という数字が示されます。
23価、20価、21価といった数字がそれです。
ただ、この数字だけで優劣が決まるわけではありません。
大切なのは種類の多さよりも、いま実際に問題を起こしている型をどれだけ含んでいるかです。

先ほど触れたように、日本で高齢者がかかる肺炎球菌の型の顔ぶれは、この10年ほどで変化してきました。
小児への予防接種が広まった恩恵で、かつて多かった型は大きく減っています。
減った型をいくつカバーしていても、実際の守りにはつながりにくい、ということが起こりえます。

《下記画像クリックでPDFが開きます》

肺炎球菌の型は90種類以上あり、いま高齢者で問題になっている型は一部であるこ とを示した図

当院で接種いただける2つのワクチンには、次のような特徴があります。

  • プレベナー20は、結合型ワクチンとして小児向けから発展してきた製品です。
    実際に接種した多くの方を追跡した海外の調査データが蓄積されており、効果の実測値が報告されています。
    現在、65歳の方の定期接種に使われています。

  • キャップバックスは、高齢者で実際に検出される型に合わせて設計された、もっとも新しい製品です。
    近年の国内調査で見られる型を広く含みますが、登場して間もないため、実際に接種した方を長期に追跡したデータはこれから蓄積される段階にあります。

このように、2つのワクチンにはそれぞれ異なる強みがあります。
どちらが優れていると一律に言えるものではなく、その方の年齢、これまでの接種歴、公費の対象になるかどうかによって、適した選び方が変わります。

どれを選べばよいか

選び方を分けるのは、主に次の2点です。

  1. 公費の対象になるかどうか
    65歳の方(および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器などに重い障がいのある方)は、定期接種として公費の助成を受けられます。
    この場合、使用するワクチンは制度で定められており、自己負担も大きく軽減されます。
    該当する年度に受けられるのがもっとも負担の少ない方法ですので、対象となる方はぜひご利用ください。
    対象年齢を過ぎた方や、すでに定期接種を済ませた方が追加で接種を希望される場合は、自費での接種となります。
    この場合は、プレベナー20とキャップバックスのどちらかを選んでいただくことになります。

  2. これまでの接種歴
    どのワクチンをいつ接種したかによって、次に何をどの間隔で接種するのが適切かが変わります。
    過去に接種したワクチンと重なる部分が多ければ、あらためて接種する意味は小さくなりますし、逆に間隔が近すぎると十分な効果が得られないこともあります。

このため、「どなたにもこれがおすすめ」という一律の答えはありません。
接種済証、お薬手帳などで過去の記録を確認したうえで、その方に合った案をご提案するのが基本になります。

記録が手元にない場合も、当院で接種された方であれば、記録が残っているため、確認することも可能です。
また、市町村に問い合わせて確認できる場合もあります。

まずはご相談ください。

すでに接種された方へ

ここまで読んで、「自分が受けたのは古いほうのワクチンだったのでは」と気になった方がおられるかもしれません。
その点について、はっきりお伝えしておきます。

すでに受けられたワクチンは、しっかり働いています。
ニューモバックスもプレベナー20も、肺炎球菌から身を守るために有効なワクチンです。
接種された時点で推奨されていた方法を選ばれたことは、まったく正しい判断でした。
新しい製品が出たからといって、それまでの接種が無駄になるようなことはありません。

医学の世界では、新しいデータが出るたびに推奨が少しずつ更新されていきます。
これは以前の推奨が間違っていたという意味ではなく、その時点での最良の判断が積み重なって次に進んでいく、という性質のものです。

そのうえで、選択肢としてお伝えしておきたいことがあります。
前回の接種から年数が経っている方は、別の種類のワクチンを追加することで、守れる範囲をさらに広げられる場合があります。
異なるワクチンはカバーする型の組み合わせが違うため、時間をおいて組み合わせることで補い合う効果が期待できるためです。

《下記画像クリックでPDFが開きます》

前回の接種から5年ほどを目安に、追加の接種を検討するという流れを示した図

これは「受けなければならない」というものではありません。
前回の接種から5年ほど経っている方は、次に受診される機会にお声がけいただければ、記録を確認したうえで必要性をご説明します。

効果はどのくらい続くのか

これはよくいただくご質問ですが、正直にお答えすると、考え方がここ数年で変わってきた部分です。

結合型ワクチンが登場した当初は、「免疫の記憶が残るので、一生に1回受ければよい」と説明されることが一般的でした。
実際、当院でもそのようにご説明した時期があります。

その後、接種した方を長く追跡した研究が進み、体の中の抗体の量は時間とともに少しずつ減っていくことがわかってきました。
現在では、5年ほどを目安に効果を見直すのが望ましいと考えられるようになっています。
専門学会の指針にも、この考え方が反映されています。

誤解のないようお伝えしますが、これは「5年で効かなくなる」という意味ではありません。
また、以前の説明が間違っていたということでもありません。
免疫の記憶がつくられること自体は今も変わらず認められており、ただ、それが実際にどのくらいの期間、どの程度の守りとして働くのかが、データの蓄積によってより正確にわかってきた、ということです。

こうした更新は、どのワクチンについても今後また起こりうることです。
当院では、その時々でもっとも確からしい情報にもとづいてご説明するよう努めていますが、将来また見直しが必要になる可能性も含めてお伝えするようにしています。

前回の接種から5年前後が経過している方は、一度ご相談いただければと思います。

よくあるご質問

2種類を一度に受けたほうが、より安心なのでは?

同じ時期に2種類を続けて接種することは、おすすめしていません。
効果が上乗せされるという確かなデータがないためです。
まず一方を接種し、年数をおいてからもう一方を検討する、という順序をとります。

インフルエンザなど、他のワクチンと同時に受けられますか?

可能です。
接種の時期が重なる場合は、同じ日にまとめて受けていただくこともできます。
ご希望があればご相談ください。

副反応はありますか?

接種した部分の痛み、赤み、腫れが数日みられることがあります。
発熱やだるさが出ることもありますが、多くは数日のうちに落ち着きます。
気になる症状が続く場合は当院にご連絡ください。

持病があっても受けられますか?

心臓・腎臓・呼吸器の病気、糖尿病などをお持ちの方は、むしろ肺炎球菌感染症が重くなりやすいため、接種が勧められる立場にあります。
治療中のご病気やお薬がある方は、診察時にお知らせください。

過去に受けたかどうか、はっきり覚えていません。

よくあることですので、ご心配なさらないでください。
当院での接種記録のほか、市町村に確認できる場合もあります。
受付でお声がけいただければお調べします。

費用はどのくらいかかりますか?

定期接種の対象となる方は公費助成により自己負担が軽減されます。
対象外の方は自費となります。
金額は種類によって異なりますので、お手数ですが受付またはお電話でお問い合わせください。

当院での接種について

当院では、肺炎球菌ワクチンの接種を行っています。

ここまでお読みいただいてお分かりのとおり、どのワクチンをどの順序で接種するのがよいかは、年齢、これまでの接種歴、持病の有無によって変わります。

ご自身で判断が難しいようであれば、受付でお声がけいただくか、お電話でご相談ください。

診察の際に記録を確認し、その方に合った方法をご提案します。

「そろそろ受けたほうがいいのだろうか」「前に受けたのがいつだったか分からない」といった段階でも構いません。

受付でお声がけいただくか、診察時に主治医にご相談ください。



このページは一般的な情報提供を目的としたものです。
個々の方に適した接種方法については、診察のうえでご説明します。

参考:日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会 合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版)」、厚生労働省 人口動態統計

最終更新:2026年10月