脳卒中とは脳へ血液を送る血管が詰まる脳梗塞、脳の細い血管が破れる脳出血、脳の血管の一部が膨らんでコブを形成(動脈瘤)し、それが破裂して脳表面に出血が広がるクモ膜下出血などがあります。
この中で脳神経内科で扱うことも多いものが、脳梗塞、脳出血です。
脳の一部の働きが突然失われるため、左か右の片側の顔や手足が突然動かなくなったり(麻痺)、感覚が鈍くなったり、しびれが生じたりします。
また突然、呂律が回らない、言葉が出ない、言葉が理解できない(失語)という言語障害もよく見られる症状です。
麻痺はなくても、失調といって足元がふらついて、立ったり歩いたりが出来なくなる症状もあります。
これらの症状がある場合は、早急に救急車を呼ぶ、あるいは専門病院を受診する必要があります。
症状が軽い方、非典型的な方も少なからずいらっしゃいます。
診察の結果、急性期脳血管障害の可能性が高ければ、治療が可能な専門医療機関へのご紹介をさせていただきます。
また、脳梗塞や脳出血は一度発症すると再発するリスクも高まることが知られており、脳梗塞の再発率は1年以内10%、5年以内35%、10年以内が50% 脳出血についても1年以内が25%、5年以内35%、10年以内55%に上ると報告されています。
ですので、一度脳血管障害を発症してしまった方は、再発予防の治療を行うことが非常に大事です(二次予防)。
脳梗塞の再発を予防するには、まず生活改善を行うことです。
喫煙、肥満及び運動不足、多量飲酒などは脳梗塞の発症の危険性を高めてしまいます。
医師、栄養士などの指導の下、規則正しい生活と禁煙、減塩、減量に努めることが重要です。
当院では再発リスクを高める高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の治療について、神経内科専門医、脳卒中専門医の視点から再発予防のための適切な治療を受けていただけます。
また脳卒中再発防止にはエビデンスに基づいた抗血栓療法の施行も重要です。
脳血管障害は再発をすると、より重度の後遺症が残り、認知機能低下の原因となり、自立して生活できなくなる可能性が高まります。寝たきりになることなく、健康に年を重ねていくことは、高齢化社会における誰もが望むところだと思います。
当院はすでに脳梗塞を発症した患者様だけでなく高血圧、脂質異常症、糖尿病といった脳血管障害脳血管障害を発症リスクとなる基礎疾患を有する患者様における脳血管障害発症予防(一次予防)の観点から、定期的に動脈硬化の評価などを行い脳血管障害発症のリスクを最小化するべく、生活習慣病の検査、治療にも力を入れております。
脳CT、脳MRIなどの画像検査についても提携する医療機関と連携しながら検査を施行できる体制も整えております。
脳血管障害は稀な病気ではなく、年齢とともに誰でも発症するリスクがある病気です。
当院では神経内科専門医、脳卒中専門医が脳血管障害の専門治療を行っております。
脳卒中を発症し急性期病院での治療を終え、状態が安定した方でもリスク管理を続ける必要があるために遠方の専門病院通院されている方も多いと思いますが、通院に時間がかかる等、通院継続の負担を感じていらっしゃる方や、御自宅近くで慢性期脳卒中の治療が可能な医療機関をお探しの方なども、どうぞ、ご相談ください。